会長　劉　秋生

皆様，こんにちは。日ごろ，中国留日同学会の諸会務にご支援・ご協力いただき，厚く御礼を申し上げます。

本会のホームページに簡単な紹介文を書く機会を得たことは、嬉しく思います。 中国留日同学会は，互助・友好という理念の下で，日本で就職している中国人留学生ＯＢより１９９５年１０月に設立された団体です。会員は主に関西地区で就職している留学生ＯＢからなりますが，関西地区以外及び帰国した留学生ＯＢも多数登録されています。会員の学位構成は博士40%,修士30%,学士30%となっています。成立以来，種々活動を通して，会員間の交流，中日友好，学術交流に力を入れてきました。その中で，１９９６年に始まった年に一度の在日中国人留学成果報告会は，一番大きなイベントとなっています。去年開催された第９回留学成果報告会並びに優秀論文授賞式においては，８０編の論文が選ばれ，600ページにのぼる学術論文集を出版することができました。その内から選考委員会に厳選された１１篇の優秀論文が中国大使賞，中国駐大阪総領事賞，大阪府知事賞，大阪市長賞，日中友好会長賞などの１１個の優秀論文賞を受賞しています。将来，中日両国間の科学技術交流や相互理解において，受賞者のみなさんに一層の活躍が期待できると思います。このような成果報告会を通して，日本社会と中国社会に対し，在日中国人学者，留学生の研究状況を報告し，中日間の相互理解・交流に微力ながら役割を果たすことができれば喜ばしいことです。このようなイベントの開催にあたり，日本と中国の諸友好団体，諸自治体，および個人にご協力とご支援をいただきました。ここで，心より厚く御礼を表したいと思います。 今年は中国留日同学会成立１０周年に当たります。引き続き「在日中国人留学成果報告会並びに優秀論文授賞式」を開催すると共に，１０周年記念行事も行う予定です。また，中国への学術交流・訪問も計画されています。近年，中国経済が高度成長を成し遂げています。北京，上海のような大都市は，すでに先進国とさほど変わらない発展ぶりで，まさに日進月歩の感動を与えてくれます。しかし，中国は人口が多く非常に広い国ですので，いろんな面において地域格差がまだ存在しているのも実情であります。中国を持続的に発展させるために，種々問題を解決しなければいけません。その中には，教育・研究水準の高度化，人材の確保なども重要な問題だと思います。これからの時代は，厳格な研究指導を受けており，先端研究開発に携わり，国際学会で活躍した経験のある，グローバル的な視野を持つ留学生及び海外人材の活用がおそらく重要視されると考えられます。また，中国を持続的に発展させるためには，安定した平和的な世界情勢も中国の発展に欠かせないものです。日中の経済活動が高度化される中，留学生の役割も益々重要となります。両国の事情に精通した留学生は両国にとっても大事な人材であり，科学技術の交流や，経済交流，そして日中友好の推進においても欠かせない存在となるでしょう。中国留日同学会は，これからも日本の諸友好団体，中国人留学生の諸団体及び中国の諸友好団体との交流を深めながら，中日両国の友好と繁栄のために，微力ながら精一杯頑張っていきたいと思います。どうぞ，ご指導ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。